雪の高尾山

珍しく東京に雪が降って少し積ったから、高尾山に登ってきた。 通勤時間帯。この日は中央線も京王線も雪の影響で遅延していて、こんな日に高尾山に登るなんて、と思いきや、物好きな人は多いみたいでケーブルカーにもお客さんは数人乗っている。さすがにリフトは運休していた。 ケーブルカーの山頂駅周辺から見下ろすと、夏の風景とはちがって、すべてが凍っているような。 ケーブルカーを降りて、山頂まで歩く。時おり、他のハイカーの方の新雪を踏みしめる音と、遠くで列車の音が時々聞こえる。それ以外はとても静か。音は雪に吸い込まれてしまうのか…と雪になれていない私は改めて気付く。 ゆっくり歩いて45分くらいで頂上。頂上付近のトイレで年配の女性とお話しした。この方は雪が積もると高尾山に登るのだそうだ。新しく積もった雪は滑らないからアイゼンなしでも大丈夫なのよ、とか、4月には桜がきれいだけど、裏高尾の方面は菫がきれいで、その時期も必ず登るのだとか。こうやって山に鳴れている方のお話を聞けるのはありがたい。普段、町中ですれ違っても、こんな話なんてできないだろうに、山だと素直に人と挨拶したり会話できるのが不思議だ。 頂上に着いた後、もうちょっと歩きたい、と思って陣馬山方面への道を行ってみたのだけど、今までよりも雪が深い。この先はもう無理だな、と諦めて引き返そうとしたときに、東屋にいる男性から声をかけられて、暖かいコーヒーをいただけることになった。普通のインスタントコーヒーなんだけど、すごくおいしく感じた。これ以上はアイゼンがないならいかない方が良いよとか、世間話をちょっとして、もう二度と会うことも無いであろう方と別々の道を出発した。 下山途中にウサギっぽい足跡を発見した。夏の人が多い時などにはなかなか実感できないけど、高尾山にはいろいろな動植物が生息している。 何かの足跡 下山する頃にはまた雪が降り始めて、この後も雪は数日間、高尾山に残ったと思う。 後日、また休日に雪が降ったので、再度、登ってみた。 何かの足跡 これは何かの鳥の足跡。