桜とバイソン先生

 そろそろ桜の季節です。桜というと、仕事の方々とお花見に行った事とか、地元の海岸沿いの県道に植えられた桜が散る中を車で走ると、すごいキレイな事とかを思い出すのですが、去年見た上野公園の桜は、数少ない関東の思い出となっています。

 上野動物園(恩賜上野動物園)は言わずと知れた東京の観光名所の一つです。ジャイアントパンダのリンリン[オス]とシュアンシュアンがいます。

 私が関東に引っ越して、仕事が一段落した休日に、同郷の友人Hと上野動物園に行きました。ちょうど上野公園の桜が満開の時期でした。  Hがパンダより私に勧めたのはアメリカバイソンというウシ(?)でした。友人Hはそのバイソンを「バイソン先生」と呼んでいました。 バイソン先生は結構毛深いです。バイソン先生のまわりには、いつもカラスが何羽か集まっています。カラスはバイソン先生の毛を、巣作りの素材として狙っているのです。バイソン先生の毛を使えば、さぞやフカフカの巣ができることでしょう。  カラスはバイソン先生の毛を、無理やり引き抜いては自分の巣へと持ち帰っているのです。そのカラスを振り払おうともしないバイソン先生の姿に、諦めとも、悟りとも取れる佇まいを見て、友人Hはそのアメリカバイソンを「バイソン先生」と呼ぶのです。  今年も桜の季節が近づくと、バイソン先生の毛に絡んだ桜の花びらを思い出すのでありました。

ただそれだけです。

豆知識:パンダは笹だけではなく、鳥や小型の哺乳類なども食べます。